今日4月20日、総務省が、『一律10万円』の給付について、家がない、路上生活者やネットカフェで寝泊まりする人も、住民登録している市区町村での給付申請が可能だと、発表しました。歌舞伎町のホームレスの皆さんも、さぞや喜んでいるんじゃないでしょうか。
さて、そんな吉報が入った本日、同業者の友達から、こんな質問をされました。
「最近、歌舞伎町で、ホームレスをあまり見かけない気がします。どこへ行ったんだろう?」
そう言えば、たしかにそんな気がします。コロナの影響によるものだろうとは想像しますが、彼らの行き先は? ぼくにもわかりません。
なので、元ホームレスで現在も彼らと深い交流がある、知人のおっちゃんに、LINEで質問を回してみました。
回答を読み、なるほどなぁと思いました。
文章をちょこっと触ってスムースにし、ここに紹介させてもらいます。
回答
ホームレスっぽい人たち、歌舞伎町で、あんまり見かけなくなりましたね。
ホームレスの居場所である、ネットカフェが閉まり、コンビニのイートインも閉鎖、ファーストフードも営業時間を短くしている。なので我々が、彼らを見る機会が減ったんだと思いますよ。
じゃあ、彼らはどこへ?
どこへも行ってません。特に行動変容は起こってませんよ。
繁華街の目につく場所にいなくなっただけ。基本、彼らはそのへんをプラプラしてますよ。
ついでに、このコロナ騒ぎにおける、ホームレスの寝床の話についてもしておきます。
寝床の種類は、大きく分けて3つあります。
①マン喫
営業を休止したマン喫に住んでいた方は、ちょっとビックリしたかもしれませんが、別に困りはしなかったと思います。営業しているお店へ移動、それだけの話ですから。
②サウナ
例えば『AK』も『コリコリ』も、営業しているので問題なし。
③ダンボールで路上暮らし
歌舞伎町には、このタイプのホームレスは少ないです。そもそも、歌舞伎町は、ダンボールを敷いて寝るエリアではありませんから。
しいて言えば、大ガードや西武新宿の駅かげあたりに、少々いる、と言ったところでしょうか。
また、“路上族”が、新宿からどっかへ大移動したなんて話も、もちろん聞こえていません。現在も多くの路上族は、新宿駅周辺や中央公園のほうに住んでいるはずです。
とまぁ、寝床についてこんな感じ、基本、変わっていません。が、こういうバタついている時期なので、ちょっと変化もあります。
マン喫生活や、サウナ生活や、路上生活から抜け出す決断をし、役場に頼っていく方が、チラホラいると聞くんですね。
つまり、彼らは「生活保護を受けることにした」わけですね。
往時は、彼らなりのプライドで、ほどこしを受けるのを嫌い、というか、それは裏を返せば「まだ仕事なり、頼る知人があり、収入源があった」という話ですが、こんなコロナ騒ぎになっちゃったもんで、そうも言ってられないという判断でしょう。
で、役場へ生活保護を相談しにいく。
もちろん、審査はあります。酒や女に走りそうな雰囲気をまとっている方は落とされるでしょうが。
果たして審査を通ったら、入居するアパートが決まるまでの期間、仮に滞在する施設(例:高田馬場駅近くの早稲田通り沿いに一軒あり。役所が借り上げている一般アパート。完全個室。TV、冷蔵庫付き、外出自由)に入り、ダラっとした生活を送り始めるというのが、パターンです。
ちなみに、生活保護の話で“施設”と聞くと、貧困ビジネスの連中が手掛けるアヤシイ寮(生活保護の支給金の大半を奪われたり、提供されるゴハンがひどかったり、するようなところ)を連想される方もいるかもしれませんが、現在、ホームレスの皆さんは、役所で「そういうところには行きたくない!」とちゃんと訴えておりますよ。
以上です。