コロナ禍のラブホに関する記事が、4月25日、ウェブメディアの『日刊SPA!』より配信されていました。内容は、歌舞伎町の2軒のラブホの従業員から伺った客足についての談話紹介などです。
「現状は…もう全然ですね」(リゾート風のつくりのラブホ)
「2月くらいから一気に減りましたね」(老舗のラブホ)
やっぱりどこも厳しいんだなぁ、と思いながら読みました。
ただ、わたしは、今の歌舞伎町のラブホに対して、「時間帯によってはけっこうお客がやって来ている」という印象もあります。ちょこっと語らせてください。
臨時休業のラブホは18軒
まず最初に、コロナ禍の、歌舞伎町のラブホ全体の動きを確認しておきます。
歌舞伎町には、約60軒のラブホがあります。4月上旬、このうちの18軒が、続々、自粛休業に入っていきました。
もしかしたら、首を傾げられる方もいるかもしれません。ラブホって都の休業要請の対象業種に入っていませんよね、と。
ですね。ラブホは営業オッケーになっています。細かい話をすると、ラブホには“風俗業登録”で営業しているホテル、“旅館業登録”で営業しているホテル、2種類あるんですが、どっちがどうなんかもなく、とにかくラブホは営業オッケーとされています。
じゃあ、その18軒はどうして店を閉めたのか? そりゃあもちろん、お客が激減しているからだろうと想像するわけですが、一応、そのうちの1軒で働く従業員の知人に質問をぶつけてみると、やっぱりな返事がきました。
「緊急事態宣言を抜けるまでは、売上がかなり厳しいだろうから。ウチはさくっと見切りをつけた感じですね」
おそらくや他の店の理由も、そういう感じだろうと推測します。
ちなみに、各店が自粛休業に入った日にちは、以下です。
- 4月6日:『バリアン新宿フォレスト』『ホテルプティバリ東新宿店』
- 4月7日:『MALTA』
- 4月10〜13日:大量15軒
- 4月17日:『すいこう苑』
カラオケボックス難民がラブホに流れて来る
では本題、「時間帯によってはけっこうお客がやって来てる」という話をしましょう。
私は、先ほどのAさんとはまた別に、歌舞伎町のラブホ従業員の知り合いがいます。その方、Bさんが働くラブホ『☓☓』(仮名・部屋数30弱)は人気店です。
“コロナ前”の一日の平均客数は、
<平日土日を問わず、100〜120組>
この数はかなりスゴイです。競合の立場にあるAさんも、
「部屋数30弱で120組ってことは、1日に1部屋が4回転ってことです。うちらはそういう計算をするんですが、4回転は相当すごい。あっぱれ!」
と絶賛していました。
『☓☓』はそんな人気店だからでしょう、コロナ騒ぎ以降も、自粛休業はせず営業を続けています。
そして“コロナ後”の一日の平均客数は、
<平日60組、週末40組>
と聞いてます。
この数字について、Bさんがこう言ってました。
「平日も週末も、昼はけっこう入ってます。ただ、夜の宿泊はほんとうにダメですね。だからこの60、40という数字は、共にほとんど昼の客だと思ってください」
客層について聞いてみると、
「客層は、“サービスタイム”での長時間利用の若い客が多いです。いろいろ買い込んだコンビニ袋を提げてやって来るようなカップルが多いです。たぶんあれですね。今は、映画館もゲーセンも休業しているから、行くとこがない。だから、ラブホでデートしようって感じで、うちにやって来てるんじゃないでしょうか」
さらにこんな話も。
「あと、カラオケボックスが休業してるからでしょうか、部屋でのカラオケ利用も多いです」
どうでしょうか皆さん、この動き、ちょっと興味深くないですか? なるほど、これは人気の一店舗に限った話なのでは、そう思われるかもしれません。
そこで、引き合いに出したいのは、臨時休業に入ったラブホの一つ『MALTA』です。
MALTAは、上に記した通り4月7日に自粛休業に入ったわけですが、そこから13日後の4月20日、営業を再開しました。このようなカタチで。
『営業時間 6:00〜22:00 しばらくの間、宿泊の営業は自粛させていただきます』
つまりこれ、『MALTA』は状況をリサーチし、昼間はいけるだろうという確信があり、短縮営業での再開に打って出たのでは? わたしはそう思うんです。皆さんもそう思いませんか?
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というわけで、コロナ禍の歌舞伎町のラブホ、昼間、他に遊びに行く場所がないカップル連中がデートにやって来てます。カラオケボックス難民が流れてきてます。意外とガラガラじゃないですよ。