大久保の住宅街では、野良猫にエサをやっている方をよく見かけます。孤独や貧困や絶望といった、現代社会の灰汁(アク)の集積所みたいな地域だけに、住人のみなさんは癒しに飢えがちなのかもしれません。
さて今回は、そんな大久保のエサやり住人の中でも、ダントツ一番注目の方をご紹介しましょう。
東新宿駅そばで洋品店を営む婆さん(推定70代)です。
この方、猫を3匹飼っておられるのですが、自分の店の前に置きエサをして、周辺の野良猫も可愛がっています。
とだけ言えば、どこにでもいる猫好き婆さんですが、隣の家の門の上に注目です。
“猫よけペットボトル”が、親の敵かってほど並べられています!
やばいでしょ? 「野良猫にエサやるのはやめてください!」アピールがガンガンでしょ?
にもかかわらず置きエサを続ける婆さん、どんな方なのかスゲー気になりませんか?
先日、婆さんにストレートに聞いてみたんです。
「隣のお宅、ペットボトルがずらっと並んでますけど? あれをどう思いますか?」
「あー、こちらのお宅はカギが上手くかからないらしくて、防犯のためにやってるんですよ」
まさか、空き巣対策という認識とは!?
1年ほど前までは向かいのマンションにもずらっとペットボトルが並べられていたので、そのへんについても聞いてみたのですが…。
「前は、こっちのマンションにも、ペットボトルが並んでいましたよね?」
「そうそう。一人暮らしのお嬢さんがよく住んでおられて。私、下着を取られるのをよく見たんですよ。だからその、ペットボトルは下着泥棒対策だったんですよ」
(写真は16年9月)
「ペットボトルがなくなったのはどうしてなんでしょうね?」
「それは、オーナーさんが変わって、このマンションはホテルになったのよ。外国の観光客の方がやってきて、3日くらい泊まっていきますよ。シェアホテルっていうんですか、だから、ペットボトルなんて置いてたら見た目が悪いから、取っちゃったんだと思いますよ」
(写真は17年10月)
「ちなみに、この電柱にかかってるハイビスカスは?」
「それは、私、フラダンスをやってるから。キレイでしょ? 明るくなっていいでしょ? 楽しいことが好きなんで。ま、そんなわけなんで、ご心配なさらずに」
どうですかこのパワフルさ、もちろん野良猫へのエサやりは褒められたことではありませんが、逆に好きになってきませんか?
婆さん、ぜひとも長生きして、大久保の土地に明るさを提供し続けてください!
場所:野良猫エサやり婆さんの洋品店