毎晩、歌舞伎町を歩き回っています。飲みたいとかナンパしたいとかそういうのではありません。徘徊すること自体が楽しくて仕方がないんです。
一頃よりも町がだいぶ綺麗になったと言われますが、やはり魑魅魍魎が跋扈する歓楽街。目に飛び込んでくる光景は、怪しくも魅力的な、至高のエンターテイメントです。
例えば「さくら通り」。
客引き行為を始める前に“原辰徳グータッチ”をやるのがブームなのか、仲間同士で拳と拳をゴツンと突き合わせることに忙しいキャッチ集団。表情をよーく見ていると、2、3人はめんどくさそうな目をしています。
「カラオケ・パセラ」向かい、路地の入り口に集う、ホームレス寸前みたいな女グループも気になります。最近だんだん薄汚れてきたので、ナンパされてタダ飯ゲットみたいなことも少ないでしょうから、そのうち金欠に陥り、全員そろって「ハイジア」援交デビューするかもしれません。とりあえず自分は遊ぶ気サラサラないですけど。
遊ぶと言えば、「ロボレス」前に受付があるホテヘル「アッシュ」の女の子たちはイイですね。うなぎ屋「うな鐵」そばのビルに出勤嬢の待機所があるんで、彼女らの出入りをよく目にするんですが、レベルが高いの何の。直接声をかけてやろうかしら。
とまぁ、そんな具合に観察しながら歩き回るわけですが、これがまったく飽きがこない。日々、ワクワクしたりエロかったりコワかったりの連続で、未だこの愉しさを知らない方が不幸とさえ思います。
なので思ったんです。
自分は月刊『裏モノJAPAN』編集部員、エンターテイナーのはしくれです。さほどに愉しい散歩なら、世間の皆さんをお連れしなくてどうすんだって。
よし、『歌舞伎町観察ツアー』を始めよう!
2017年10月1日
歌舞伎町ガイド人・仙頭正教
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仙頭正教(せんとうまさのり):月刊『裏モノJAPAN』編集部員。'78年10月25日。メール masanorisento@gmail.com ツィッター @sento1025