コロナによって収入が減った事業者(会社)や、個人事業主(フリーランス)に対しての経済支援『持続化給付金』の話を、1週間前に書きました。
世の中の風俗嬢の大半は、お店との契約が“雇用”ではなく“業務委託”、つまり個人事業主で、その中には少数ではあるけれど、マジメに確定申告をしている『申告組』もいる。1週間前のブログでは、そんな申告組の給付金申請について、私が思うことをつらつらと書きました。
その際、割愛した内容があります。
申告組の気持ちの深い部分、打算です。
今回は、それについて書いてみようかと。
さしあたりまずは、持続化給付金に関する政府発表と、それを受けた申告組のSNSのムードを、時系列で紹介しながら筆を進めていきます。
4月半ば
【政府発表】
持続化給付金という支援策を打ち出します。給付の対象は、確定申告をしている方です。ただ、風俗系の事業者、つまりソープやデリヘルなどの業者は、はなっから給付の対象外です。
【申告組のSNSのムード】
私はどうなんだろう? 確定申告はしてるし、事業者じゃなく、うちは個人事業主。でも、風俗業界の人間ってことで、もしかしてダメなのかな? とりあえず、職業差別はしないで!
【考察】
申告組の戸惑いのようなムードを感じましたが、「でもたぶんこの子たちは、普通に申請するだろうな」と、私は想像しました。
というのも、申告組は一般的に、確定申告の際、書類の職業欄に「デリヘル嬢」や「ピンサロ嬢」なんてことは書きません。「サービス業」や「接客業」あたりを記します。役所に対して自分が風俗嬢であることを伏せるのです。
そして一方、持続化給付金の申請書類に目を向けても、「あなたは風俗嬢ですか?」なんて質問事項はありません。
なので、たぶん彼女たちは、確定申告で申し出ている職業で持続化給付金の申請をし、何とかお金をもらってやろう、そういうノリで臨むんじゃないかと、私は思いました。
5月上旬
【政府発表】
給付対象を明確にします。個人事業主の風俗嬢さんも、給付の対象です。
【申告組のSNSのムード】
やったー! これで堂々と申請できるわ!
【考察】
ムードが“堂々”ってのはちょっと大げさなのでは? と、疑われるかもしませんから、以下に、一つのツィートを紹介します。
現在
そんなわけで、今は申告組が続々と給付金を申請し、お金が振り込まれるのをワクワクしながら待っているところだろう、と想像します。
が、彼女たちの心境について、私の知人のデリヘル嬢(1週間前のブログにも紹介したAさん)は、こうも言ってます。
「でも、中にはワクワクではなく、むしろコワゴワな子もいると思いますよ」
「というと?」
「税理士さんに聞いたんですけど、確定申告の職業欄に“マッサージ業”とか書いている風俗嬢なんかがいるそうなんですよ」
個人事業主に課せられる“個人事業税”という税金とのからみだそうです。大半の職業はそれが5%だけど、“マッサージ業”はそれが3%。だから、申し出る職業に“マッサージ業”を使う子がいるんだとか。でも、言うまでもなく、実際にやってる仕事は普通のマッサージじゃないため、役所に本当のところがバレたらまずいはずとのことです。
「なので、もしかしたら給付金の申請が裏目に出て、確定申告では通用していたズルがバレる子もいるんじゃないですかね」
「かもしれませんね」
「そういう子は、給付金をもらえないどころか、今後、税務署に目をつけられますよ、きっと」
なるほど、一理あるかもしれません。
以上が、前回のブログで割愛した内容です。
どうでしょうか、皆さん。やっぱりこういうお金の話って、込み入った事情が横たわってますよね。あっ、そうそう、前回お伝えしたAさんの持続化給付金の申請ですが、予定通り100万円もらえたんですって。うらやま!