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陰陽師!? オカルト? いや、コロナ収束の神社祈祷です。奇異に見えるかもしれないけど、 歌舞伎町で開催中

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 歌舞伎町には『花園神社』『稲荷鬼王(いなりきおう)神社』という2つの神社があります。前者は毎年の来場者数が60万人と言われる秋祭り、酉の市が開催されることで有名ですが、じゃあ後者はどうでしょう? たぶん世間の認知度はそこまで高くなく、足を運ばれたことがある方は多くないんじゃないでしょうか?

 そこで今回は、この稲荷鬼王神社の紹介です。

 というのも現在、この神社で興味深い行事が開催されているんです。

 これです。

新型コロナ感染症病魔退散祈祷実施中

毎日午前9時前後(時間は神社の都合で前後します)に社殿にて、当社宮司家に代々伝わる、九字切りによる病魔退散祈願を実施していますが、明治時代以降の神社神道では行わない作法の為、奇異に見えるかもしれません。

稲荷鬼王神社創建以来の宮司家大久保家に伝わる作法故、ご理解下さい。尚、病魔退散祈祷はご参列できません、ご了承下さい。

 気になるでしょ? “代々伝わる”とか“奇異に見えるかも”とか、何となく好奇心をくすぐられませんか。ひるがえってマジメな話、コロナで大混乱に陥っている歌舞伎町において、地域の神社がこうしてお祈りをしているってのは普通に注目に値すると思いますし。

 なもんで6月30日、気になった私は、とにかくその祈祷の様子を見に行ってみることに。案内板に記されている実施時間の午前9時を狙い、稲荷鬼王神社へと向かいました。

 到着が少し遅れ、神社の境内に足を踏み入れたのは午前9時6分でした。

 境内の正面、社殿のドアは開け放たれています。

 中の様子が見えており、宮司さんが座って太鼓を叩いていました。すでに何やら始まっているようです。

 社殿の前には、先客らしき見学客の女性が一人います。私もその隣へ。

 するとそのタイミングで、宮司さんが太鼓を叩く手を止め、立ち上がります。我々見学客のほうを振り向くなり、

「お騒がせしました、これで終了です」

 といったようなことを口にしました。一瞬、理解がおっつきませんでしたが…。

 ようするに、私は見学に間に合わなかったわけです。大失敗です。

 膝から崩れ落ちそうになりつつ、ひとまず先客の女性に内容をたずねてみます。こんなふうに教えてくれました。

・宮司さんが指で、目の前の空間をシュッシュっと切っていました。

・大きな声で「うーうー」と唸っていました。

・ちょっとビックリしました。

オカルトっぽかったです。

・映画の「陰陽師」みたいでした。

 やはり“奇異に見える”雰囲気だったようです。

 一応、宮司さんともしゃべってみました。

・自分は、この神社の16代目です。

・この祈祷は、先祖代々、親から子へと受け継がれてきたものです。

・本来は、年に1回、4月18日に行う祈祷です。

・4月中旬、桜が散るその時期、むかしは疫病が流行りがちだったので、その病魔を鎮めるために行っていた“おまじない”です。

・今年は、世の中がコロナでこんなふうになってますんで、4月18日からこっち、引き続き毎日、行っているんです。

・ただ、7月7日で終わりにする予定です。

 なるほど、おおよそ祈祷の概要はわかりました。もちろん、実際にそれを見学できなかったことは痛恨としか言いようがありませんが。

 7月7日までか。

 こんなふうに期日を区切られると、いよいよ気になってくるじゃないですか。どうでしょうか、皆さんもそうじゃないですか。もちろん私は、見学リベンジします!

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