歌舞伎町にある『第6トーアビル』は、かつて、自殺のメッカと言われていました。2019年までは、屋上へと続く階段が開放されていたからでしょう、勝手に上がって行って飛ぶ飛ばないの騒ぎを起こす若い女性が、頻繁に出現していたからです(2017年当時の屋上写真はこちら)。ゆえに、階段が閉鎖され、トラブル対策がなされた今も、このビルは人々の下世話な関心を集めています。
そんな第6トーアビルの評判を筆頭に、歌舞伎町には、自殺話が飛び交っています。そして、その類の話をSNSなどで好んで語りたがる人々が少なくありません。
ホストクラブ遊びにハマる女性や、あるいはホストクラブへ通っているわけではないんだけど、そこで繰り広げられる刹那的な恋愛ゲームのような世界が好きな女性なんかに、とりわけ自殺話好きが多いでしょうか。
ならば、彼女たちの気分にあるものは何なのか?
単純に刺激への好奇心か? あるいは同情か? はたまたもっと捻じれた感情、例えば、他人の自殺を追体験しちゃう私ってキケンな女、みたいな後ろ暗い自己陶酔でしょうか?
とにかく、女性たちは日々、自殺話に花を咲かせており、歌舞伎町の自殺話の一番の発生源となっています。
なので私は、そんな彼女たちのことを、自殺のメッカになぞらえ、
『第6トーア族』
と呼んでいます。
今回は、ある一人の第6トーア族の、ここ数日のツイートを引き合いに出し、その言動を具体的にご紹介させて下さいませ。
ちなみに、ここで引き合いに出す女性のツィッターのプロフィールには「歌舞伎町1年生」と記されており、そのワードセンスから、本人はかなり若いコだと想像します。
7月19日未明の言動
まずはこの投稿から見ていきましょう。
日時:2020年7月19日
午前0時32分
内容:2枚目バリアン隠れちゃってる。歌舞伎町で屋上までいけるビルないですか?
気になるのはもちろん、「屋上までいける」という記述です。また、載せられている写真から、撮影場所が『三経21ビル』(2018年に投身自殺事件アリ)であることがわかります。投稿内容が、自殺話であることは間違いありません。
7月19日深夜の言動
その“屋上までツィート”から23時間後、今度は、次のような投稿がなされます。
日時:2020年7月19日
午後11時31分
内容:歌舞伎町で誰か自殺したっぽい
写真には、規制線が貼られたラブホテルと、何かを見上げる警察や消防が写っています。「自殺したっぽい」と、悲惨な現場に居合わせたというニュアンスの言葉が添えられており、最初、私もその文意で読みました。
しかし、一応事実関係を確かめるべく、こちらのラブホテルの関係者に連絡してみると、こう言われました。
「これは、袖看板のパネルの一部が剥がれ、浮き上がっていたから、その対応をしていただけです。消防から指摘があり、落ちるとキケンだってことで、下にバリケードを設置したりして。消防や警察の方が見上げているのは、看板なんですから、事件じゃないことは、誰が見ても一目瞭然だったはずです。にも関わらず、この投稿者はどういうつもりなんでしょうか? わけのわからないツィートはやめてもらいたい。本当に迷惑です!」
つまり、このツイートはデマです。おそらくや、彼女の気分としては、これ、捏造できるんじゃないの、今夜も自殺話で盛り上がっていくよー、そんなノリだったんじゃないでしょうか。
7月20日の言動
そんなわけで、彼女はいよいよエンジンがかかってきたんでしょう。この日は、他人の自殺話ツィートと、自分の“屋上までツィート”をリツイートします。
7月22日の言動
さらに、“捏造ツィート”もリツィート。ちなみに、私がラブホ関係者にこの動きを伝えると、「営業妨害で告訴を検討しています」という返事がきました。
7月24日の言動
しかし、本人は絶好調なようです。自殺話だけじゃ物足りなくなってきたのか、他殺話まで始めます。
日時:2020年7月24日
午前6時15分
内容:好きな人のことは絶対わたしが殺す!から!!
★
というわけで、これが第6トーア族の言動の一例です。皆さんはどう感じられるでしょうか? お騒がせな人種ではありますが、ある意味、興味深い存在ではないかと、私は思います。
一応、最後に申し上げておきます。第6トーア族のおねーさん方、おふざけであれこれツィートするのは別に構わないとは思いますが、本当に自殺しちゃダメっすよ。
<関連記事>
2017年11月:屋上からの投身自殺が頻発していた時代の「第6トーアビル」の話
2020年3月:「第6トーアビル」の最上階に、霊感の強い女性を連れていった話