ライター仙頭の繁華街ウォッチング

歌舞伎町観察ツアー

記事

緊急事態宣言の延長、失業者22万人増がもたらす歌舞伎町への影響

投稿日:

※本記事は、2021年2月3日、仙頭が「クラブハウス」でしゃべった話を書き起こしたものです。文字にするにあたり、いろいろ修正したり、内容を伏せたりもしています。

 こんばんは。

『仙頭正教のミッドナイトチャンネル』です。

 毎回5分ほど、一人でしゃべっており、今日で、5回目になるんでしょうか。今日のお題は、『緊急事態宣言の延長、今後、歌舞伎町に起こるだろうこと』ということで、頑張って話して参ります

 では、さっそくお話を始めます。

 本日、ワタクシ、新宿の靖国通りの大ガードのとこを歩いてたら、気になる光景を目撃しました。

 ご存知の通り、大ガードの下には、年がら年中ホームレスの人たちが寝ており、だいたいいつも3つ4つは"寝床"が作られているわけですが。今日はその3つ4つの"寝床"が、これから引っ越しをするかのように、それぞれキレイに片付けられ、それぞれ台車に乗せられていました。

 あれ、どうしたんだろう、みたいな。

 で、その後、ワタクシ、大ガードから新宿西口のほうへ歩いていったんですが、小田急百貨店の前でもまた、同じ光景を目撃しました。

 これまたご存知の通り、小田急百貨店の前にも、年がら年中ホームレスの人たちが寝ているわけですが、それらの寝床も、それぞれ片付けられ、それぞれ台車に乗せられていたんです。

 えっ、大移動、みたいな。

 気にりまして、そばにいたホームレスの一人に聞いてみました。

 すると、こんなふうな返事が

「今日、役所の人がやってきて。片付けなさいと言われたんですよ。じゃないと、荷物を持っていっちゃますよ、と。だから、台車を知り合い(支援者だと思われる)から借りてね。あっ、タダでじゃないですよ、ちゃんとお金を払って借りたんです。えっ、荷物をどこへ持っていくかですか? また別に、置くところを確保してるんで、そこへ持っていきますよ」

 なるほどと理解しました。そして同時に、なぜこのタイミングで、役所が新宿駅周辺のホームレスにプレッシャーをかけたんだろう? そんなことも漠然と思いました。

 そこで私の頭に何気によぎったのが、1月31日の、朝日新聞社がネットに配信した映像。『2度目の緊急事態宣言 東京の1月を映像で振り返る』ってやつです。200万回再生以上されている(2/3日時点で)映像なんで、みなさんの中にも、ご覧になった方、多いんじゃないでしょうか。

 あの映像って、冒頭に新宿の大ガードのホームレスの"寝床"のシーンがあるじゃないですか。もしかしたら、新宿区役所の方はあれを見て、「やばい、大ガードんとこ、チョー汚い感じになってんじゃん!」みたいに焦り、「よし、ホームレスにプレッシャーをかけちゃお!」みたいに思ったんじゃないか、私はそんな想像をしました。

 で、そんなことを考えていると、私の思考は、ホームレスの人たちの気分、さらには、町に居場所を求める人たちの心境へと、向かっていきます。

 というのは、新宿の大ガードで寝ている人たちって、実は、家がなくて町にいるんじゃなく、生活保護を受けていたりで家はあるんだけど、家にいるのがイヤなんで町にいるって方が珍しくないんです。

 その理由はずばり、寂しさでしょうね。

 町にいれば、仲間がいて、知り合いが酒などを持ってきてくれて、寂しくないから路上にいる、そいう気分なんでしょう。

 で、人間のそういう寂しさってのは、別に大ガードや小田急前の路上に限った話ではなく、町全体に溢れていると、私は思います。

 歌舞伎町を見渡しても、例えば東宝ビルの横にたむろしている若い子なんかもそう、例えばゴールデン街に通ってしまうおっちゃんなんかもそう、結局はみんな、心の奥底に寂しさを抱えていて、だから街を居場所にしているんだと、私は思うんです。

 で、さらに言うと、その人々の寂しさが、明らかにオリのようになってる場所が、歌舞伎町で言うと、西武新宿駅前のマクドナルドです。

 あそこのマックって、店内は4階建てで、すごーく広いから、他のお客の目を気にせず、100円のコーヒー1杯とかで長時間ずーっといられる。だから居場所として使い勝手がいいのでしょう、寂しさを紛らわせにやって来ているお客が本当にいっぱいいるんです。

 例えばですね。私の知り合いのOLさん、会社帰りには、西武新宿駅前のマックによって、窓際席でボーッとするのが、ルーチンみたくなってます。

 例えば、朝から晩までずーっと滞在しているジジババなんかも、けっこう多いですね。わたし、ある一人のバアさんに声をかけてみたことがあるんです。

「住んでるところ? 千葉ですよ。ここへやって来てるのは、家にいるのもつまんないからなんだけど。家の近くのマックなんかに毎日行ったりしたら、やっぱり目立っちゃうけど、ここ(新宿)は都会だから、人が多いし、目立たないからいやすいし。人が多いから、見ていて楽しいのもあるし」

 都会の喧騒の中に身を置いておきたい気分を、バアさんはそんなふうに語ってくれました。

 私の知り合いに、こんな男性もいます。

 その方はですね、年齢は60代前半、仕事は歌舞伎町の飲食店のバイトでした。

 その方、ある時期、離婚して、一人暮らしになりました。

 するとですね、家に一人でいるのが寂しいからでしょう、夜、バイトが終わった後、いつも西武新宿駅前のマックに寄って、マックが閉まる夜3時までずーっといるようになったんです。

 で、さらにある時期からはですね、夜3時までマックにいたあと、家には帰るんですが、家ではシャワーを浴びて着替えるだけで、寝たりはせず、すぐにまた家を出て、マックへ。そしてマックで昼まで寝て、それで職場の飲食店へ向かうという生活を始めたんです。

 そんなことをしていたら、もちろん頭がおかしくなりますよ。

 その方、そのうちに精神がもたなくなってきたのか、言動がおかしくなり、バイトも首になり、生活保護になります。それでもマックへは通っていましたが、いつしか姿を見なくなりました。今はもう、その行方は杳として知れません。寂しいったらありませんよ。

 で、今回のお話のまとめなんですが。

 ニュースによると、緊急事態宣言の延長により、失業者は22万人増えるという試算が出ているそうです。"増"ってことなんで、コロナ禍の全期間における失業者は、もちろんもっと多いわけです。

 とにかく今後、すごい人数の人々が露頭に迷うことになるだろうと思われます。

 で、今日のお題『緊急事態宣言の延長、今後、歌舞伎町に起こるだろうこと』について。

 仕事がなくなると、人間はやっぱり、より寂しくなりやすいと思うんです。

 ってことはですね、今後、西武新宿駅前のマクドナルドのその風景は、いよいよ寂しくなってくるだろう、と私は想像します。

 そんなわけで、本日もありがとうございました。



<宣伝/仙頭の書籍紹介>

「繁華街ウォッチャー仙頭の『歌舞伎町百景』コロナ第二波襲来」

 2020年夏、日本は新型コロナウイルス騒動の第二波へと突入しました。再び増えてきた新規感染者数に対し、人々は焦り、戸惑い、しかしどこか慣れっこにもなりつつ、やはり関心の目を向けたのは、"夜の街"の筆頭格、新宿・歌舞伎町でした。
 本書は、繁華街の路上観察をライフワークにする雑誌編集者の仙頭が、そんな第二波の時期の歌舞伎町の様子を、大繁華街のストリート写真を時系列に並べながら解説しています。歴史的資料価値あり!

(形式)
アマゾン kindle ※スマホ視聴可

(紹介例)
・立ちんぼの腰掛け撤去
・ネズミ男と時短要請延長
・配信者にオモチャにされる名物オヤジ
・ネカフェ援デリ大はやり
・伝説のキャバ嬢の店オープン

-記事

Copyright© 歌舞伎町観察ツアー , 2021 All Rights Reserved.