オーロラビジョンでお馴染みのヤマダ電機『LABI新宿東口館』が、10月4日をもって閉店しました。ビル自体はヤマダの持ち物じゃないということもあるんでしょう、早くも看板を外す作業が行われています。以下は5日夜の様子です。
それにしても、閉店の理由は何だったんでしょう? ヤマダの発表によると、
「2020年6月から本格的に家電製品の販売を開始した子会社の大塚家具の新宿ショールームとの自社競合を解消するため」
らしいのですが、理由はその“自社競合”とやらだけじゃない気がします。閉店の背景には、やはりコロナによる客足の遠のきが――、いや、もっと言えば、近年このヤマダはお客がそんなに入っているように見えませんでしたから、従来から売上げの低迷があり、コロナになったことで一つの踏ん切りがついたのでは、そんなふうに想像します。
そこでぼくが何気に思いを巡らせるのは、この20年くらいの、新宿の家電量販店各社の歩みです。
新宿はそもそもヨドバシカメラのお膝元です。
そのヨドバシの地盤に、まず切り込んだのがビックカメラで、00年に東口に、02年に西口の小田急ハルクに店舗が構えられました。
業界最大手のヤマダが満を持して乗り込んできたのは10年です。その進出1号店が『LABI新宿東口館』で、翌11年には『LABI新宿西口店』もオープンさせました。
ヤマダは進出にあたり、当時の社長が「2館合わせて800億円の売上規模を目指す」なんて語って非常に高い目標を設定していたそうです。相当自信があったんでしょう。
するとそのヤマダの動きに、ビックがわかりやすくライバル心をむき出しにします。12年、ユニクロと手を組み『ビックロ』がオープンしました。
かくして、そこからはもう完全に“三つ巴”です。
ただ、近年は、上に書いたように『LABI新宿東口館』は奮ってなかったふうに見えましたから、ヤマダは世間からパっとした評価を得られていなかったんじゃないでしょうか。
以下は、ぼくの近年の印象です。
●ヨドバシ:西口は現在も完全に地盤
●ビック:ユニクロと手を組んで作った『ビックロ』が盛況
●ヤマダ:オーロラビジョンによって世間の認知は抜群ではあるものの、進出1号店のLABI東口館はガラガラ
さて今回のヤマダの閉店決断により、この三つ巴、これからどう展開していくんでしょう。今後の各社の動きに大いに期待したいところですね。
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ちなみに、下の写真は『LABI新宿東口館』の最終営業日である10月4日に撮影したものです。もう2度と見ることができない素晴らしい景観です。上の看板外しシーンと見比べると、やはり寂しいですね。
更新:2020年10日06日の看板撤去
更新:2020年10月9日
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