※本記事は、2021年2月7日、仙頭が「クラブハウス」でしゃべった内容を書き起こしたものです。ログを残すにあたり、大幅に(3分の2くらいは)削っています。
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2月7日夜、2時55分。
仙頭正教の「ミッドナイトチャンネル」です。
本日のテーマは『新宿のホームレスたちの暖の取り方』です。
よろしくお願いします。
さて、本日は、なぜこのテーマかと言いますと、理由は、数日前のニュース<新宿東口の新宿通り、『タカノフルーツパーラー』の"バイキングコーナー"の閉業>です。
有名店の寂しい決断、3月31日をもってバイキングコーナーを閉めるとのことでして。普通にドキっとましたが、しかし"喫茶店コーナー"は営業を続ける、完全閉店ではないとのことなので、それについて良かったなぁと思いました。
で、このニュースが、なぜホームレスの話になるのかと言いますと、まぁ聞いて下さい。
話のポイントは、タカノフルーツパーラーの地下。具体的に言うと、新宿通りの地下道(新宿駅と新宿3丁目を連絡)と、高野フルーツパーラーの地下階をつなぐ"通路"にあります(★ページ下に写真あり)
実はこの"通路"、新宿のホームレスたちにとっての人気の"あったか寝床スポット"なんです。
順を追って説明しましょう。
新宿通りの地下道は、夜間は閉鎖され、朝は5時半ごろから通行が可能となります。
雨風をしのぎたい新宿のホームレスたちは、朝、その5時半ごろを狙い、地下道に下りてきます。今のような冬の時期は、特に、です。
で、地下道に下りてきたホームレスたちは、そこはやはり地べたに座ったり寝転んだり、そういったことをしたくてたまりません。
けれど、好き勝手にゴロゴロはできません。新宿通りの地下道には、警備員の目が光っているからです。ホームレスが座ったり寝転んだりしていると、どこからともなく警備員がやってきます。
が、タカノの入り口の"通路"は、なぜかそれが許されるんです。寝ていても警備員に文句を言われないんです。
どうしてオッケーなのか? それがタカノの計らいなのか何なのかはわかりませんが、とにかく、朝7時半くらいまでは寝ていてもオッケーなんです。
ね、タカノのニュースと、ホームレス、話がつながってきたでしょ?
しかも、このタカノの地下の"通路"には、ホームレスにとって、単に暖を取れるだけでなく、さらにオイシイこともあったりします。
それは"施し"です。
心優しき通行人の方がですね、寝ているホームレスたちのそばに、オニギリを置いていったり、サンドウィッチを置いていったり、そういったことをなされるんです。
優しいなぁ、"施し"をされる方ってどんな方だろう? 私、ホームレスの方に訊ねてみたことがあります。
何でも、「一般の方もいるし、新宿5丁目のインマヌエル教会の関係者さんとか」とのことでした。
また、「初老の紳士が現金3千円を置いていってくれたりしたこともありますよ」なんてエピソードも聞きました。
ま、そんなわけで、タカノの地下の"通路"はですね、ホームレスにとって人気の"あったか寝床スポット"なわけです。
もしもタカノが完全閉店することになっていたら…。この"あったか寝床スポット"の存続も危うかったかもしれません。いやーほんと、とりあえず完全閉店じゃなくてよかったと思います。
というわけで、本日もありがとうございました。
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