※本記事は、2021年2月21日夜、仙頭が「クラブハウス」でしゃべった内容を書き起こしたものです。内容は、いろいろとカットして再構成しています。
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2月21日、『仙頭正教のミッドナイトチャンネル』です。よろしくお願いします。
前回のトークでは、
<買春の男性が、歌舞伎町の路上売春婦であるハイジア嬢に対し、どう声をかければよいのか?>
という問いに対し、一つの"解"を出しました。
ただ、その解はですね、"こういう心構えで臨むべき"という精神論だったため、ちょっとフワっとした話になっちゃったような気もします。
なもんで今回は、"どう声をかければよいのか?"に対する、実践的な"解"を提案したいと思います。
さしあたりワタクシ、じっくりと考えてみました、じっくりと。そこで頭によぎったことがあります。
――ハイジア嬢が売春の仕事をする際、何より心配するのは、やはり私服警察官に引っかかり、"逮捕"されてしまうことのはず。ってことは、こちらが警察じゃないということを伝えることこそ、有効で実践的なアプローチでは?――。
どうでしょう、間違ってませんよね?
なので、その方向で"解"を出すべく、路上売春婦の"逮捕"について、まずは頭の中で整理してみました。
売春というのは、客のとり方によっては犯罪にはなりません。例えば、女性が知り合いの男性を誘い、お金をもらってコトに及ぶ、これはセーフです。が、公衆の面前で、不特定多数の人間に行為を持ちかけ、コトに及ぶ、これはアウトです。
ハイジアでの売春は、もちろん後者にあたります。
ニュースにはぜんぜんなったりしませんが、ハイジアでは年がら年中、路上売春婦が私服警察官に引っかかり、逮捕されるということが起こっています。
そして私は、実際に逮捕されたことがあるハイジア嬢たちから、その流れを聞いたことがあります。
まずはその伺った話を、みなさんと共有しますね。
私服警察官によるハイジアのパトロールは、だいたい5人くらいのチームで行われるそうです。その構成は、男性が4人、女性1人とか。
で、取り締まりは、男性の私服警察官(以下、オトリ警官)が、路上に立っている売春女性への近寄っていくところからスタートします。
「何してるのー?」
なんつって、オトリ警官のほうから女性にしゃべりかけることもあるそうです。
会話を"売春交渉"へと進ませたオトリ警官は、女性から次の2つのセリフを引き出そうとするそうです。
一つは"金額"。
もう一つは"本番をしているかどうか"。ざっくばらんに言うと「セックス」や「◯◯◯」という単語とかを。
で、それらのセリフを引き出したところで、いざ、ラブホへと向かいます。
ホテルへの道中、女性が「コンビニで飲み物買っていこうよ」なんて言った場合、オトリ警官はそれに応じるそうです。たぶん、警察の経費でコンビニの買い物代は落ちるんでしょう。
そんなこんなでラブホへ。いよいよクライマックスです。
オトリ警官が正体をバラすのは、ラブホの敷地に足を踏み入れ、建物に入る直前です。ポケットから取り出した警察手帳を女性の目の前に突きつけ、「わかるよね?」ってな感じて。
これが逮捕までの流れです。
一応、そこからの先についても共有させてください。
警察手帳が出された後は、仲間の私服警察官たちが駆け寄ってきます。そのうちに、また別の警察官が車を回してきて、ラブホの前に横付け。女性は警察署へと連行されます。
警察署に到着すると、すぐさま4時間5時間ほど、取り調べが行われます。
で、取り調べが終わったところで、女性は留置所に入れられるわけですが、東京の中心部には、以下の3カ所の施設にしか女性用の留置所がないため、いずれかへ移動となります。
●原宿警察署。
●湾岸警察署。
●東京都北区『西が丘分室』という警視庁の施設。
そして翌日以降は、留置所で勾留されながら、さらに取り調べを受けたり、霞が関の検察庁へ行ったり裁判所へ行ったり、といった日々となります。
気になるのはもちろん量刑でしょう。
私が聞いた情報が合っていれば、それはこんな感じのようです。
●初犯:不起訴、10日で釈放。
●2回目:不起訴。
●3回目:罰金2万円。
●4回目:罰金2万円。
●5回目:実刑3カ月(執行猶予付き)。
これをキツイと取るか、軽いと取るかは人それぞれでしょうが、とりあえず誰もが捕まりたくはないはず、これは間違いないと思います。
というわけで話を戻しますと、われわれ男性がハイジア嬢に声をかける際、自分が私服警察じゃないということを伝えるのは、有効で実践的なアプローチなはずです。
では、どのように伝えればいいのか?
知人のハイジア嬢からこんな意見を聞いたことがあります。
「缶チューハイを飲みながら声をかけてくれると、うれしいですね。警察は、お酒を飲みながら取り締まりをすることはないだろうし」
なるほど、一理も二理もあるんじゃないでしょうか。
っことで、今回のクラブハウスの結論は、
<缶ビールや缶チューハイを片手に酒を飲みながら声をかける>
これにします。
本日もありがとうございました。
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